コスタリカには「コンゴウインコ」と「ヒワコンゴウインコ」の2種の絶滅危惧種が棲んでいる。
ヒワコンゴウインコは、バーダーや観光客がこの鳥の美しさを拝める機会は少ない。
なぜならヒワコンゴウインコの個体数は、コンゴウインコの個体数より断然少ないからである。
2000年には200羽、現在の繁殖ペアは30組程度と推測されているとのこと。個体数の減少理由は、熱帯雨林の伐採とペット用にと営利を目的とした密猟に起因している。
最近は森林保護運動が強化されつつあるが、まだまだ楽観視できる状況ではまったくない。
コスタリカでは植林などにより、森林面積が増えつつあるらしいが、中米というくくりでは随分減っている。従って昔から棲んでいる動植物が棲みにくい環境が加速しているといえるだろう。
私達は『絶滅危機にある「ヒワコンゴインコ」に是非逢いたい』というリクエストを、ゴジツアーズに出しておいた。その要望にしっかり応えてくれた。
タバコン温泉でリフレッシュした私達はツアーデスクに戻る梶田さんと別れ、13:00にアレナルを出発しニカラグア国境方面に向かった。
ここは「加瀬さんとっておきのポイント」に程近い小さな村であった。アレナルから50km位の移動であるが、悪路のため結構時間がかかる。4駆の車でも上下左右に揺れながら進んでいく。
タバコン温泉からニカラグアまでの移動の様子↓
夕方近く、ヒワコンゴウインコが営巣しているという木に、まずは下見に出かけた。
時計の針は16:30を回り、あと4~50分で日没となる。現地までは片道30分位。
ヒワコンゴウインコが森から帰っていたとしても、見られるのは約30分。日没を過ぎるとあたりは闇となり危険な状態となる。
道路から牧場に入り、あちこちに落ちてい(る大きな地雷(牛の糞)を踏まないように歩いていく。すると遠くから「ン・ギャー」「ン・ギャー」というインコの声。
加瀬さんが声の聞こえてきた方向を指差し、スコープをセット。
私達は「エッ!何処?何処の木?」
スコープを覗いてみると、2羽のヒワコンゴウインコが枝に止まって、あたりの様子を伺っているのか、首を右左に動かしているのが見えた。 しかし、スコープというものはすごい!
羽毛1本1本までよーく見える。
こんなに早く現れるなんて思っていなかったので、あわてて、カメラを用意しシャッターを切った。
体制を整えようとカメラを再度セットしなおしたとたん、1羽が「ン・ギャー」と叫びながら飛び立ってしまった。同時に近くの枝に止まっていた別のヒワコンゴウインコも飛び立ち、2羽連れ立って森の彼方へ「ン・ギャー」となきながら姿を消した。
また巣に戻るかもしれないということでしばらく待機していたが、日没時間迫ってきたため、やむなくロッジへ戻ることにした。
あっという間の出来事だったが、大自然の中を悠々を飛ぶヒワコンゴウインコの姿を見ることができるなんて、なんてラッキーなんだろう。
明日もっとそばで観察したい。
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