4/10 ヒゲドリを探しまわった後アレナルへ

昨日得られた情報をもとに6:00 私たちはヒゲドリを探しに出発した。

レアな鳥と逢えるかもしれない。期待に胸が膨らむ。

今日の探鳥地はモンテベルデから少し離れたところにある。昨日歩いたモンテベルデ自然保護区のトレイルに比べるとアップダウンや、大きな根などが歩行の妨げとなり歩きにくい。観光客もいないので自然と静かに触れ合うには良い場所である。

 

昨日のつり橋ツアーで聞こえた泣き声と同じヒゲドリの泣き声が、すごく大きく聞こえる。

「ボーン」「キーン、キーン」、「ボーン」「キーン・キーン」。

声がする方向を見上げても、大きな葉や太い幹や枝が邪魔をして姿をみることは出来ない。

 

ヒゲドリは確かにいる。しかも一羽だけではない。

 

しかし、木のトップなどの見晴らしが良いところが好きなようで、地上を歩いている私たちには見えない。

もし、ここにつり橋があって、樹冠の上から覗くことができれば容易に見つけられるかもしれない・・・。

 

「ボーン」「キーン、キーン」、「ボーン」「キーン・キーン」 近くで鳴いている。

少なくとも3羽以上いるようだ。

何とかして、見えそうな森の隙間を探すが、なかなかヒゲドリを見るのは難しい。

かれこれ1時間位歩いただろうか。見られないと疲れが増してくる。

 

モルフォ蝶がトレイルを横切りながらフワフワと飛んでいる。

蝉時雨もすごいことに改めて気づく。

 

時折、トゥカンの鳴き声やマイコドリのパチパチという羽音も聞こえてくる。

マイコドリもレアだ。このあたりに棲む 美しいオナガセアオマイオコドリかもしれない。

 

加瀬さんは、スコープを担ぎいつもよりも真剣に森の中を歩きまわっている。

 

その時!!!!!!!!!!!!

 

早くこっちへ!と加瀬さんが手招きする。

 

加瀬さん:「ああー   ああーーーー飛んじゃったぁーーーー!」

ヒョウヒョウ&キーボー: 「エ~~~~・・・・・・・(汗)」

加瀬さん:「今、丁度目の高さのところにヒゲドリの雄がとまっていたんです」「私だけ見えました」

ヒョウヒョウ&キーボー: 「ナンダヨ~~~~・・・・・」

 

しばらくして、10mほど前の藪をあるいていた加瀬さんが、また、

「今、オナガセアオマイオコドリのオスが見えました」「私だけ見えました」

ヒョウヒョウ&キーボー: 「マジィ~~・・・・・・・」

「また、見えるかもしれません。できるだけ私の傍にいてくださいね~」と加瀬さん。

 

 

そこにはどんどんレアな鳥を見つける加瀬さんと、まったくレアな鳥が見られず、ただ蚊に刺されながら歩く私たち、という天国と地獄のような対照的な姿があった。

 

いやぁ~本当に声は聞こえるけれど見れないというのは、腹立たしいものである。

見られなければ、声も聞こえなかったほうがあきらめがつくというものだ。

 

 

かれこれ2時間位、アップダウンが厳しい道も整備されていないトレイルを歩いているので、疲労も増してきた。やはりヒゲドリを見るのは簡単ではないんだ~。残念だけど、そろそろあきらめて引き上げようかと思ったその時である。

 

前を歩く加瀬さんが、スコープを手際よくセットして、「ハイ早く覗いて!!!!」

 

キーボーが覗く

 

ワー綺麗~。ヤッター、ヒゲがちゃんとあるわー

 

ヒョウヒョウは珍しく開けた場所にある枝に止まっているヒゲドリが視界に入り、大急ぎで三脚をセットし連写していた。 あせって写したのでピントが合っているはずがない。

でも証拠写真は撮れた。良かった良かった。

 

今日までレアな動物、鳥に出逢ってきたが、いづれも最後の最後に大物が現れる感がある。 

2時間歩き回ってヘトヘトになっていた疲れはいったいどこに行ったのか?

なんとも爽快な気分で森を後にすることができた。

 

バードウォチングは苦しいけれど、見るのが困難と思えた鳥に会えた瞬間。この瞬間が実にいい。

 

私たちは満足して朝食をとりにロッジへ戻った。

 

ヒゲドリを探し回った写真がこれ↓

モンテベルデから近いようで意外と遠いアレナル

ヒゲドリ談議で盛り上がった朝食後、10:00にアレナルに向けて出発した。

晴天で気持ちが良い。モンテベルデというと熱帯雲霧林で「雨」や「霧」の写真が多い。晴天のモンテベルデは珍しいのかももしれない。 そういえばパロ・ベルデ以降、良い天気が続いている。

 

車は土煙を舞い上げながら走っていく。モンテベルデと目的地アレナルのホテルまでは、直線距離にすれば近いが、真ん中にアレナル山があるため大きく迂回する必要がある。

モンテベルデを出た後、アレナル湖の西端にあるTilaran町を経由し、アレナル湖の北側にでて、湖沿いに湖の東側にあるアレナル山を目指すというルートを辿る。

モンテベルデの町を出ればアレナル湖までは凸凹道の悪路である。

そんなわけで移動時間は意外にかかる。しかし移動時間の長さは、車窓からみえる素晴らしい景色で苦にならなかった。

オブザバトリーロッジ(アレナル)

残念ながらアレナル火山は一昨年位から非常に大人しくなっていて、噴火や溶岩流を眺めることはできない。 しかしロケーションが素晴らしく、自然好きにはお勧めできるホテルである。

 

各部屋にベランダがあり、ゆっくり正面のジャングルとアレナル山の全貌を楽しめる。

ベランダの椅子に腰掛けると野鳥の声が聞こえ、目の前の木々に美しい鳥たちがやってくる。

 

夜になれば満点の星と蛍や光コメツキなどの発光昆虫があちらこちらで舞い、それはそれは幻想的な世界が広がっている。

 

これだけでもすごいのに、2年前までは部屋から噴煙や赤く流れる溶岩流が見えたというのだから驚きである。

オブザバトリーロッジにたまたま遊びに来ていた鳥たち

ロッジの展望テラスは、いろいろな鳥がやってきて見ていて楽しい。

テラス前の高い木はパパイヤ、スイカ、バナナなどが枝に刺してあり、色鮮やかな鳥たちや小動物がひっきりになしにやってくる。さながら「クリスマス・ツリーではなくクリスマス・トリー」である。

 

ここはロッジでゆっくり過ごすのが正解かもしれない。敷地にはレベルに応じたトレッキングコースなども用意されている。

 

周辺観光に出かけるのがすごくもったいないような感じを受ける。

またいつか来るときはゆっくりしたい。

オブザバトリーロッジに遊びに来た鳥たち